1羽のアオジを見て
家の前の調整池に来たホオジロの様子を見ていると、ホオジロの声に交じって一声ずつ短く鳴くアオジの地鳴きも聞こえました。しばらく待っていると、暗緑色の頭部を持った野鳥がサクラの枝にとまりました。今年もアオジがやってきました。アオジは毎年秋になると旧宅の庭にやってきて、庭木の間や池の縁を飛び回る姿を見せてくれ、自然に詳しかった祖父と一緒に縁側で観察した思い出深い野鳥のひとつで、スズメやツバメ、カラス以外で最初に名前を覚えた野鳥です。当時は祖父が、飼育していたカナリヤに与えるためのアワやヒエを庭に撒いておいたためか、用心深いアオジも毎日のように縁先まで来て、葉を落とした庭木の間から洩れる日差しの中で餌をついばんでいました。今でも晩秋から冬にアオジを見ると、幼いころ祖父の膝に抱かれて庭へ来る野鳥を見ていたときの祖父のぬくもりや、中学、高校時代には明るい日の入る縁側に出て祖父の点ててくれる茶を喫しながら、一緒に庭を見ていたときの情景が懐かしく思い出されます。その祖父も亡くなってこの秋で39年になります。1羽のアオジを見て、私に大きな影響を与えてくれた祖父を思い出した晩秋の朝のひとときでした。



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