サクラの季節が過ぎて行きます。
家の近くで毎年最後まで花を咲かせているヤマザクラとヤエザクラも花を落として枝は若葉に覆われ、今年のサクラの季節もすっかり過ぎて行きました。毎年のことながらサクラの花が好きな私にとっては、名残惜しく寂しい気持ちになる季節です。6年前に父が亡くなってからサクラの花を見ると、花が好きだった父が亡くなる前年、通院帰りに遠回りをして咲き始めたサクラを見せたとき、足腰が弱ってきた父が、来年のサクラは見られないかもしれないから今日サクラの花を見ることができてよかった、と喜んでいたことを思い出します。自分の体が翌年までもたないかもしれないと自覚していたのでしょう。翌年の早春、その言葉通りにサクラの季節を前にしてウメの開花に送られるように一生を終えました。今も春になりサクラの季節になると、最後にサクラを見たときの父の気持ちはどんなだったかといろいろ考えてしまいます。ただ、最近の私は、父が亡くなった年齢には程遠いのですが、息子が独り立ちできそうになってきてからは気持ちに余裕がでてきたのか、サクラに限らず季節の花を見ると、来年はこの花は見られないかもしれないとたびたび考えるようになり、またそうなったらそれもよかろうという気持ちが湧くようになってきました。その分季節を終えて散っていく花に対する印象が、これまでより強くなったような気がします。今年の春は、散り行くサクラを見送りながら、逝ってしまった人たちや過ぎ去った日々の出来事が特に強く思い出された春になりました。写真は、3日ほど前に雑木林の奥でひっそりと咲いていたヤマザクラの花です。この花も、今は散り果てていることでしょう。


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